サイコシスとは……誰にでもある精神病性的な体験
サイコシスとは……誰にでもある精神病性的な体験
「サイコシス(psychosis)」とは、精神疾患の代表的なものの一つです。日常的にあまり見聞きしない言葉のため、人によっては何か極端で特殊なものをイメージするかもしれませんが、直訳すると「精神病」です。少し専門的な言葉になりますが、サイコシスの症状が現れていることを「精神病性がある」と表します。
「サイコシスの症状」をごく簡単に説明すると、現実と非現実の境がぼやけてしまったような精神症状と言えるでしょう。具体的には、幻覚や妄想などです。
サイコシスの原因は、一般に精神疾患であることが多いです。代表疾患の一つとしては、まず統合失調症が挙げられるでしょう。また、場合によっては精神疾患ではなく、内分泌系の機能異常などの身体疾患が原因で同様の症状が現れることもあります。
「サイコシス」「精神病性」といった言葉だけ聞くと、何か特別な病気のように感じる方がいるかもしれませんが、同様の体験は、日常的に誰にでも起こりうるものです。たとえば音楽を聞いている時にスマホが鳴った気がして慌てて確認してしまったり、他人の会話から耳に入った言葉が、自分に対する話題のように聞こえたり、といったケースです。前者では、音楽に集中しているときに、実際に何らかの物音があり、それを着信音と聞き違えてしまったのかもしれません。後者では、他の人は自分に対して言ったわけではなくとも、実際に自分に関係のある言葉を何かしら発したのかもしれません。いずれも、現実だったのかどうか、なかなか確認できないものです。
こうした「現実か非現実かの違いを見極められないもの」は、広く捉えると精神病性的な要素とみることができます。こうした日常的な聞き違えや見間違いとも言えるようなものが、サイコシス的な精神要素の最初のレベルです。そして、この程度のレベルのものは、ほぼ全ての人に経験があるものだと思いま